コロナ禍において「自粛をする真面目な若者」の分類に長らく入っていた俺は、先日久々に行きつけだったゲーセンに出かけ愕然とした。
郊外の国道沿いにあるこのゲーセンは、中心駅の駅前通りにあるそれよりも設定が甘く、景品が比較的取りやすかったのである。
久々にUFOキャッチャーをやり、力ないアームがだらんと落ちるのに軽く絶望を覚えた。
収益が減ったのだから、より金を落としてもらうには設定を弱くし、一つの景品を狙う一人の客から多くむしりとる必要がある。
俺もまたコロナ禍で遠ざかり、金を落とさなくなった客その人であるのだから文句は言えまい。
でも、それを頭で分かっていたとしても俺には
「この店でもうUFOキャッチャーはやりたくない」
いや、駅前通りのゲーセンはもっと酷い設定になっているに違いないからUFOキャッチャーそのものを遠ざけてしまうだろう。
別にゲーセンには音ゲーとかUFOキャッチャー以外のゲームもあるからそっちはやると思うが、ついでにと金を落とす事は多分もうない。
設定を甘くしたらしたで上手い人が根こそぎ取っていってしまうから、そういう事も起こらないだろう。
俺だけではなくそれなりに大勢の人がUFOキャッチャーに萎えていて、ほしい景品が出来てもメルカリで買うのだろう。
あの頃のゲーセンがもう戻ってこないと思うと悲しい。