月に1回。まるで、離婚の条件となりうるセックスレスを回避するかのよう。
翌日が休みの金曜と土曜に誘って、月に1回承諾されるような毎日で、
向こうから誘ってくれるのは1年に1回あるかどうか。
諦めよう。きっとセックスなんかしたくないんだ。
そう、考えるようにした。
そんな時に、2人目が欲しいと突然言われ、こっそり喜んだ。
求めてくれている、誘ってくれている。
その一言だけで、久しぶりにわくわくした。
早く寝たって判断は誰がするの?
とか考えているうちに、静かに怒られた。
なぜなにもしてくれないのか、本当は2人目なんて欲しくないんでしょう?
そんな事はない言う前に、考えてしまった。
え、自分が誘った時は当然のように散々断ったクセに、
そっちからの誘いに乗り損ねただけでこんな事言われるの?と。
幸い、謝って事なきを得た。
でも、次の日も、その次の日も、体調不良で断られた。
そこで気づいた。俺、口約束でいいように使われる童貞みたいだ。
次も何も、してないだろう。
ああ、そうか。今までずっとあった違和感の正体はコレか。
すれ違うのは当たり前じゃないか。
多分、性的な目で見られてないんだろう。
だから、
セックスが月1回なのも、
内容がドールを抱いているのとほぼ変わらないのも、
キスする事が無くなったのも、
手を繋ぐことが無くなったのも、
スキンシップしてくる事が無くなったのも、
全部、当たり前の事なんだ。
月に1回誘うのも、もうやめよう。
今まで通り、誘えば月に1回はさせてもらえるだろう。
月に1回のセックスの為に、落第しないように日頃から気を使って、
断られる惨めさも、相手が嫌がっているのに抱く虚しさも味わいたくないから。
性欲に負けそうになったら、誘いそうになったらコレを読み直そう。
寝静まった後に、バレないように心の膿を吐き出すしかない自分に立ち帰ろう。
上なんか見てたって、足元を掬われるだけなんだから。