毎日新聞の空いたポストは若手に…「はしごをはずされた」 50歳大学非常勤講師の絶望を読んだ。可哀想だなと思ったが、ふと、あまり関係ないが、博士号持ちタクシー運転手の小話を思い出した。曰く、アメリカでは博士号持ちが多すぎて、大学教員になれずにタクシー運転手をしている人もざらだという。
しかし、この小話はどこが初出なのだろうか。漠然と1970-80年代ぐらいのアメリカの話だろうと思っていたが、最近、おそらく初出と思われる文章に出会った。
If I took a taxi in New York, I would often find that the driver was a Ph.D., who would start arguing about philosophy at imminent risk to himself and me.
この文章はバートランド・ラッセルの The Impact of Science on Societyからのもので、驚くなかれ1951年初版なのである。もっとも仮定法過去で書かれているので、タクシー運転手にも博士号持ちがいると思わせるくらい、アメリカの教育環境は恵まれている、と言いたいのだろうが。