2019-10-29

自由の果て

自由とは 縛られること

自由とは いつもそこに不気味にあるもの

自由とは 不自由を知ること

自由とは いつも己自身であらねばならぬこ

自由とは 闘いを呼ぶもの

自由とは 運命を見放すこと

自由とは あなたをただ 愛せること

わたし自由であるとき

そこにはいつも一筋の炎が見える

ただ生まれついたときから

そこでだけ燃え咲き、揺らぐ線ーー

からわたしは生きていられる

希望などなく未来などなく

ただ今を燃やす

灰さえも 赤く光る

煙さえ立たず ただ 燃え

琥珀色の水に

歩んできた過去が映る

帰るべき場所

行き着く先はいつも

己が歩んだ轍の上

絶望を積みあげた 我が軌跡

わたしわたしでありたいのではない

わたしわたししかいられないのだ

信じられるものはただひとつ

言葉理由もない世界

曲げないこと

曲げられないこと

真実を知りたいために

さらに疑い続ける

哲学者自分は ひどく頼りない

丁度良い自分は どこまで生きても見つけられない

世界はただあるがままにある

そんな絶望でできている

そこに一縷の望みを託すのは

気狂いだと誰かが嗤う

あるがまま

ただそれだけが逃げ場所

そんな切なさが

唯一、人を生かす希望なのだ

君よありがとう

あなたいるから 私は孤独になれる

偽りの孤独に 酔っていられる

目を開ければ そこには混沌

目を瞑れば 光が目を灼く

おれはこういう風にしか生きられないのだ

なによりも孤独を恐れながら

情けなく孤独にすがるしかないのだ

おれは逃げ続けるぞ

正しさなぞに意味はない

おれは逃げ続けるぞ

やがて君が 彼方の点になるまで

おれは 逃げ続けるぞ

世界がやがて俺を見つけるまで

誇り高き 穢れなき

自由がやがて

消え去るまで

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