犯罪予告でもって他者の行為を威圧した人物が言語道断なのは言うまでもないとして。
キュレーターというのは作品の選定により展示の方向性を決めるという"表現"を行う立場と、他者の作品を預かるものとして個々の作品の表現者を守るという二つの立場を持つと考えられる。しかし、
・展示という"表現"のメッセージを正しく伝える作品選定、設営を行えず、本来の意図と異なる箇所に注目を集めてしまったこと
・「議論のきっかけを提供したかった」など責任回避の発言に終始し、企画者としての対話を放棄したこと
・権力からの攻撃にあっさりと与し、個々の作品の表現者を守る行動を一切とらなかったこと
結果として、企画者を信じて作品を預けた表現者を裏切り、企画者を信じて会場へ足を運ぼうとした観覧者を裏切り、企画者を信じて資金を託したスポンサーを裏切った。
「表現の不自由」を謳う展示を行うものとして、他者の表現の自由を最大限保護する準備を行わなければならなかったのに、それを怠った。