例年この時期になるといろんなところで人事異動が公になり、勤め先の歓送迎会や得意先または取引先で関係のあった人の送別会が至るところで企画される。
私にもぼちぼちこの手の誘いが入り始めているのだが、自分の勤務先のは付き合いでも明瞭に誘われるのだが、社外の人の飲み会となると微妙な扱いをされる。
私はどうも飲み会に誘いづらい雰囲気を全身から出しているようなのだ。
大抵なんとなく不安げな声色で、「予定があるなら別に無理に来てくださらなくてもいいんですが、どうですか?」というような誘われ方をする。
おそらくはこの前段で、「この人、ずっと関わりがあるけど、仕事以外の話題で話したことなんてほとんどない。そもそも飲み会とか嫌いそう。しかし声かけないのも悪いボジションだしな」という葛藤があって、恐る恐る声をかけに来るのだと思う。
会社の内外によらず、他人と打ち解けず、それなりに愛想よくしているつもりだが、たまに笑顔で話していても相手が真顔になっていることがある。
では片っ端から断ればいいと言われそうだが、あんまり不義理は出来ないし、お世話になった人の送別会なら出席してお礼を伝えたいとも思う。
だから本当に予定が入っていなければ、行くようにしている。
出席したらしたで、楽しい話なんて自分からはできないし、大抵「止めときゃよかった」と思いながら帰途につく。
それでも年の功で無難に宴席を過ごす術は身につけた。
私が今もってどうしてもやりきれないのは、この誘われるときの腫れ物に触れるかのような扱いなのだと今日悟った。
そんな厄介な扱いをされるのが悲しいのだ。
しかし悲しい。
中年になってこんなことを願うようになるとは思わなかった。