持病をもっていて夏は苦手だ。
暑さが収まってやっと過ごしやすくなったけど、夏に持ち越した疲れのせいか、持病が少し悪化して気持ちがちょっと塞いでいた。
元気がなかったのは体調のせいだけじゃない。
夏前に、
「新入社員研修を変えよう、いままで我流で作った研修を、専門書にあたってアップグレードするんだ」
と挑戦した。
「このプロジェクトで『同じ事の繰り返し』のこの会社の仕事のあり方を変えるんだ」
と立て続けに3本こなした。
それぞれ、一応ゴールまでこぎ着けた。
でも研修に関しては振り返りで
「新入社員が緊張感を失いがちなんですよね、ちょっと長過ぎるのかな」と言われ、
プロジェクトに関しては
「今回はスムーズでしたよ」「増田さんの指示がはっきりしててやりやすかったです」
と言われたけど、同僚とクライアントに煽られるのをキラキラガールズポップを聴いて自分を鼓舞して乗り切って、
終盤の偏頭痛で歩いて帰れなくて、タクシーを捕まえて帰ってまで期待した結果にはほど遠い。
思いっきり振りかぶった一打が、ボールに当たった!と思ったあとで、遠くに飛ぶ前にシューっと消えて、
周りで見てた観衆が「当たって良かったねえ」で済んじゃった感じ。
「こんなもんかー」
普段、浮世離れしたドンキホーテキャラで周りに接しているけど、
「そうね、まー、俺、ホントは大した事ないんだよねー」ってちょっと力が入らない感じだった。
「帰ってeテレの『奇跡のレッスン』でも観るかー」ってロッカーに道具を片付けようとしてた時、
「増田さんのスライドでやってくれた勉強会、今すごく役に立ってます。お礼言おうって思ってたんです。」
そうか、アレ、役に立ってたのか。
世の中の先生達はこういう気持ちなのかなーなんて考えて、少し希望が持てた。
言葉があると救われる。
「そういってくれると、俺も勉強になるよ」