2018-08-03

最低賃金引き上げと、単に給与を引き上げるのは何が違うのか

単に自分会社給料を引き上げると、当然その会社人件費がかさむ。経営負担にはなる。

しかし、その代わりに、人材流出に歯止めをかけることができるし、他社に対して採用競争力にもなる。従業員生産性もひょっとしたら士気が上がる事によって上がるかもしれない。

最低賃金引き上げで、強制的給料が引き上げられる場合、やはり同じように会社人件費はかさむ。

では、その他の点については? 人材流出を防ぐ効果や、採用効果はなくなるだろう。他社も一斉に引き上げているので、競争力強化といえば自分以外の全員も同じように強化しているような状況だ。さらに、最低賃金が上がると言うことは、最低賃金よりも少し高い給料で働いていた人材流出してしまやすくなるかもしれない。時給1600円の人間は、最低賃金1000円ならば転職するにも近い賃金仕事を探すのに苦労するかもしれないが、最低賃金1500円の世界なら、どこに転職しても最悪現行の給料に近い金額がもらえる事になる。だからむしろ、最低賃金引き上げは、最低賃金以上で働いていた従業員給料にも引き上げ圧力がかかる。

生産性は? 最低賃金引き上げは多分上がらない。世の中全部がそうなってしまえば、「どこで働いてもこのくらいはもらえる」と言う意識は拭えないし、従業員満足度給料絶対額ではなく、他者との比較でどれだけ自分が多くもらっているかに強く影響されるから、「ほかのみんなもこれくらいはもらっている」と思うようでは士気は上がらない。

最低賃金引き上げの場合、世の中の労働者の多くがより多くの賃金をもらう事になるから、景気に大きな影響が出る。最低賃金に近い収入の人たちを対象にBtoCをやっている会社なら、売上が上がる事も考えられる。この点は単に自分会社給料を引き上げるよりも良い点だろう。

他にはどんな違いがある?

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