そもそも宮﨑駿が東映で労働運動の先鋒に立っていたことを、はてブの民は知らないのだろうか。
その敗北から劣悪な環境が蔓延するようになってしまったアニメ業界という悪夢の中で、
どうにか自分の作品のスタッフだけでもまともな暮らしをさせ、まともに人を育てようと正社員化と固定給化を成し遂げただけで十二分に偉業である。
だいたい世の人達はアニメ業界の労働問題をそこらのブラック企業と同等レベルに考えているのではないか?
いくらかマシだと言われる京アニだとか東映ですらそこらのブラック企業レベルの労働環境であり、
そういった環境を強固に支えるものたちが、上にも現場にも犇めいているという狂気の世界だ。
そんな業界で監督一人にできることは、せめて自分の作品のスタッフにいい目を見せることぐらいしかない。
宮崎駿は、スタッフに払えるだけの金を集められる唯一の監督なのだから、彼には作品を作ることが彼にできる最大限の労働環境整備なのだ。