若くして死んだことを悼まれてニュースになるためには、20代や30代のうちに十分な結果を出している必要がある。
そのためには10代や20代のうちに既に芽を出しているから、20代の頃に急激に結果を出し始めているかしなければならない。
恐ろしいね。
自分は10代の頃何者でもなかった。
社会に出て10年経った頃ですら、ようやく仕事を覚えてきたけど人並みが精一杯だった。
入社して1年目の人間には負けなくても、優秀な人間は3年もすればこちらに比肩し始める。
恐ろしい。
優秀な人間はこちらがモタモタしている間に結果を出して追い抜いていく。
そういった人間が存在しているおかげで今のレベルまで人類は進歩してきたのだろうし、社会も回っているのだろう。
それでも恐ろしい。
天才や秀才が結果を出すたびに自分の存在価値が問われているようなプレッシャーに襲われる。
まだ実家にいた頃、親が同年代のスポーツ選手として自分を比べてくるのがたまらなく嫌だった。
なんであのレベルに達していることを安易に求めてくるのかに苛ついた。
そうさ、本当に恐ろしいのは、優秀な人間じゃなくて、優秀な人間と凡人を安易に比べて平気な顔して人の存在意義を否定しようと煽りにかかる大多数のその他大勢共の浅はかな人間性だよ。
畜生が。
いつか人類みんな殺してやる。
死んでしまえじゃなくて殺してやるだ。
でも無理だな。
そんな事が出来るようなのは有能な奴だけだ。
人類をみな殺しにしようなんて思っても、通り魔になって10人轢くのが限界だろう。
あほらし。
運悪く天才には生まれつかなかった自分の惨めさを、運の悪い10人の人間にぶつけた所で虚しいだけの同族殺しだ。
俺が殺したいのは、運良く優秀だった奴も、運悪く無能だった奴も、まるっきり含めて人類全員なんだからな。
畜生。
いつか殺してやる。
無理だけど。