イノベーションの動機は純であれ不純であれよく定義された問題でなければならず、ゆえに往々にして私的である。報酬の帰属先は個人だ。
イノベーションとは個人が資源、特に人的資源と投資を集めて、存在するアイディアを自己成長するビジネスとして自律する形に仕立てることだ。
公私混同がないということは雇用主と労働者の間に労働の提供しかないということで、建前上は理念や概念の提供がないということだ。
公私混同の批判を防ぐ一つの方法は私的な報酬を減らすことで、多少はいい思いをしているけれども一切実質がないと納得させることだ。
現実には動機を薄めて投資効果を抑え、この二つを両立したと称するもののみが生き残るだろう。夢は大きく語りつつも実現は避けるのがイノベーターにとって最も安全な戦術となろう。投資家にとってはなるべく起業家を安く買い叩き投資を回収出来次第即座に潰すことが安全であろう。さて、われわれは本当にイノベーションを求めていたのだろうか?