私の父の話である。
父はよくスポーツを観ている。
一番好きなのは野球だが、格闘技やモータースポーツなども含めなんでも観る。
なんでも観て、なんにでも暴言を吐いている。
少しミスをしたり調子が出てこなかったりすると「下手くそ!」だの「交代だ!」だの、ここには書ききれないがまあとにかくひどい。
父自身がやった経験のないスポーツの選手に対しても、テレビで得た知識を持ち出してさも自分ならもっと上手くやれる風に語り始める。
いいプレーをした選手にも「梶谷が打ったの?信じられないなあ」などと言って褒めるということを知らない。
それでいて得点が決まったりすると白々しく喜んでハイタッチを求めてきたりして気色が悪い。
私もスポーツ観戦は好きなので観たいのだが、自分の部屋にテレビがないのでリビングに行くと父の偉そうな暴言が飛び交っていて観る気も失せる。
もっと普通に応援して楽しく観ようよ、と母と一緒に何度も提案しているのに聞く耳を持たない。
言い返されることのないテレビに向かって暴言を吐いて鬱憤を晴らしているんだろうなと言う心理は何となく分かるのだが、もうすこし茶の間の方の空気にも配慮して欲しい。
食事中にやられるとそれはそれは大迷惑で、食欲すら落ちていく気がする。
野次(という名の暴言)を飛ばしながらスポーツを見る人って一定の割合でいると思うんだけど、世間ではどんな認識なのかを教えてほしい。
そういう楽しみ方もあるよって感じなのかなぁ?
とりあえず、私は大嫌いだ。
甲子園でヤジ飛ばしてるオッサンは、おそらくあなたの父親を数千倍先鋭化した過激派スポーツ観戦者だろうね。 ことプロ野球において、ヤジを飛ばすことはもはや文化として定着して...