俺がそれを知ったのは2年ぐらい前だろうか。
その時の俺は自炊に目覚めており、自分が作るものは一番自分の好みであり、カレーなんかは友人を招いて食べてもらったら「店で出せる」(冗談だとはしっているが)と言われるぐらい自信をつけていた。
必要なものは、カレールーに、肉、たまねぎ。じゃがいもを入れるとタッパーに詰めづらく、腐りやすくなるので後乗せ。にんじんは苦手なので入れない。
サラダ油を使わず、オリーブオイルを使い、バジルと白ワインで香りをつける。そして、トマト。トマト缶を水700mlに対して200gつかう。
もう何年も作ってきた。パッケージの裏の作り方を見たのなんて最初の1回ぐらい。水の分量を知るときぐらいだ。
そんな時に、Twitterで流れてきたのが「カレールーはそのまま作るほうがよい」という話。
そんなわけがない。自分が信じる作り方が一番うまいんだ。見せられたためしてガッテンのページでは、この隠し味をいれたおばさんたちも自分のカレーが一番うまいと思っているよ。
そう思いながら、久しぶりに、裏面をまじまじとよみ、分量を計り、オリーブオイルではなくサラダ油を。バジルやトマトは入れない、ゴールデンカレーが完成した。
ひとくち食べてわかった。
「うまい」のだ。多分10人中9人がうまいというカレーで、その残りの1人が俺だ。
そこからはもう、バジルやトマトを入れず、じゃがいもの後乗せをやめ、分量もきっちり図る人間になった。
昨日、久しぶりに、自分の作り方をしてみた。
トマト缶をいれて、オリーブオイルにバジル、俺のカレー、俺だけの。
びっくりした。
「うまい」のだ。確実に。今までの普通のゴールデンカレーより。
トマトの酸味が効いて食欲をそそる。カレーなのに後味がピリッと途切れてバジルの香りがする。