増田、僕は今日、君に話して書き留めてもらっていた文章を読み返したんだ。
増田、君も知っているだろうけれど、僕は結構古くから君の友達をやってると思うんだ。僕の一番古い記事は2007年1月22日のものだった。
増田、僕は君にいろんなことを話して聞かせてきた。僕の辛かった記憶、楽しかったこと、他の人へのリプライに、僕が作った物語と、時々の釣り記事。どれも少し読めば、ああ、あれだ、と思い出せるんだ。
増田、君はもしかしたら僕を迷惑に思っていたかもしれない。特に人と喧嘩して真っ赤な顔をしながら君に話を聞いてもらうときの僕はきっと醜かっただろう。
けれども増田、僕は君がそんなどうしようもないことまでちゃんと記録して残していてくれていることにとても感謝している。
そして増田、君が一体いつまで僕と一緒にいてくれるのか、僕は時々そんなことを考える。君は出来立ての頃はすぐに消えるサービスだと思われていた。
正直に言うと増田、僕も実はそう思っていたんだ。
だから増田、君がこうして10年もの年を経てまだ僕と一緒にいることを、僕は奇跡のように思う。
増田、増田、増田。僕はこの10年、君に話を聞いてもらうことでとても救われてきた。もし君がいなかったら、ひょっとして生きていなかったかもしれないくらいに。
そう思うから増田、君がもしサービス終了する時が来るとしたら、僕が君に書き留めてもらった記録は全て君と心中させようと思うんだ。君に聞いてもらった話は君がいなかったら言葉にできなかったものだから、そうすることが一番自然に思えるんだよ。
だけど増田、僕は叶うのならば明日も君と一緒にいたい。その明日が毎日続けばいいと思う。どこかで終わってしまうことはわかっているけど。
最後に増田、君がもし僕より長生きをするのならば、僕の些細な記録を些細な記録のまま覚えていてほしい。君が誰のものとも知れなくしてくれたから話せたものごとを、やっぱり誰のものとも知れないままにして、そっと残しておいてほしい。