生徒を飽きさせないために、授業中数分程度だがサブカルチャーの歴史みたいな小話をする。
1995年のプレステにおける「ときメモ」。恋愛ゲームの誕生だ。
「ときメモ」はゲームとして非常に出来がよく、可愛い女の子を愛好するグループと、ゲーム性を重視するグループ双方納得する出来栄えだったところに歴史的意義がある。
この均衡を破ってしまうのが、1998年の「センチメンタルグラフティ」だった。
女の子は可愛いが、ゲーム性は糞。かくして萌え派とゲーム性派は永遠に離断されてしまった。
こんな話を、普段歴史を話すテンションと同じように生徒に伝える。
セングラのところで、もちろん笑いが起こる。
しかし、帰ってきてyoutubeで「セングラ」のオープニングを一人でみると、どこか言葉にし切れなかった部分があったことに気づかされる。
あのちょっと長閑で間が抜けたところがある洗練された音楽。暗黒太極拳と揶揄される少女たちの舞踏は、作画自体は大変にいいものだ。
確かにあの頃、このゲームはクソゲーと評されていたように思う。けれど、どこか愛らしいゲームだと、今更ながら思う。そしてそれは17歳には俄かには伝えられない要素だ。
世間のこともあまり知らず、特に何も考えずに青春を謳歌できていたあの頃。そんな時代を今私は懐かしく思う。その時に、想い出すのは「ときメモ」より「セングラ」だ。
これは私の年齢によるところが大きいのだが。
手段が目的化してんぞ地歴担当