2016-09-22

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インスタントラーメンは「自炊」だろうか?

人によって意見はあるだろうが、ここでひとつ具体的なケースを挙げてみたい。

セブンイレブン一風堂カップ麺を買ってくるところを想像しよう。

カンに湯を沸かしながら、コンビニの袋からカップ麺を取り出す。容器を包むセロファンを破る。

蓋をめくった君が見るものは5つの小袋だ。

いかひとつやふたつじゃない。5つだ。

チャーシュー、かやく、粉末スープ、液体スープ、そして秘伝のたれ。これが今夜のレシピの"材料"だ。

君は日清の指示に従い、この5つを限られた時間の中で適切なタイミングで容器に投入する必要がある。

まず、チャーシューとかやくを麺の上に開ける。

それから沸騰した湯をその上から決まった線まで注ぐ。

蓋を閉じると同時にタイマーを起動しよう。3分間だ。即席麺作りにおいて、湯戻し時間絶対ルールだ。

この3分間をただぼんやり過ごしてはいけない。液体スープを蓋の上に置いて温める。これも指示通り。

蓋の温度によって油分が柔らかくなり、絞り出しやすくなるからな。日清はよく考えてる。

さて、3分経ったら忌々しい蓋を破り捨てるんだ。もうそれには用が無い。

セブンイレブン様が添付してくれた竹割り箸を使って、麺をよくほぐそう。先にスープを入れると麺がほぐれない。

問題はここからだ。

液体スープと粉末スープにはそれぞれ「食べる直前に入れてください」と書かれている。

それぞれの優先順位日清指定しなかった。入れたら完成、というわけだ。

だが、ここまで細かく「調理方法」を指定した奴らが、そんな些細な条件設定を怠るだろうか?

しかし、最終的にどちらを先に入れるかは君が決めないといけない。僕は粉末スープを先に入れる派閥だ。

君もきっと、迷いに迷いながらスープをお湯に入れるだろう。そういうものだ。

スープを溶かし、最後に秘伝のタレを加える。おめでとう、これで一風堂の赤玉の完成だ。

蓋を開けてから最後の袋を開けるまで、君は何分かかるだろうか?もしかしたら少し麺が伸びてないだろうか?

さて、改めて始めの疑問に戻ろう。

インスタントラーメンは「自炊」だろうか?「料理」だろうか?

もしも、「料理」の定義に「手間をかけること」が含まれているとすれば、

僕はインスタントラーメンを「自炊」と呼んで差し支え無いと思っている。

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