黒死館殺人事件を読んだ。大分時間がかかった上に疲れた。漢字が難しいです。
しかしながらこの小説は面白い。法水の推理(?)はちんぷんかんぷんだし、衒学的な部分とかほとんど訳が分かんなかったんだけど、くじけずに読み進めてしまう。
法水の推理がよく呑み込めないなりに筋は通っている上に、展開が急転しまくるから良かったんだと思う。最後の方なんて状況が二転三転するから、ジェットコースターみたいだったし。
文章も独特のリズムがあるから、それさえ掴めればある程度読み進んでいられる。疲れるどけ、ころっと状況が変わりやがるもんだから続きが気になって頁をめくってしまう。
解説にもあったけど、こんな小説が第二次世界大戦前に出たっていうんだから、奇書呼ばわりされてもしかたがないと思う。本筋に関係ない内容に圧倒されてしまうもの。
唐突な引用と、飛躍した解釈を目にして、なんどはあって呟いたかわかんない。二重三重に張り巡らされた人間関係もあるから、シナリオとしても面白い。
暗号部分は端から理解を諦めてしまったけど、昨今のAVGブームに乗っかって、黒死館殺人事件をフリーゲーム化したらとっつきやすそう。誰かやらない?
チャカポコチャカポコで脱落しやすいドグラ・マグラよりは幾分読みやすいし、本筋も掴みやすい作品だから気軽に触れてみればいいと思う。青空文庫もあるしね。
波長さえあえば楽しく読める作品でした。