1人のプログラマが1000人の職を代替するプログラムを作る、って話の、欺瞞ではないけれど、条件の足らなさについて指摘しようと思う。
こういう事をする時に必ず「機械に出来ることは機械にさせ、手が空いた人は人にしかできない(たびたびクリエイティブな、と言われる)仕事をしましょう」と言われるのだが、今の職がなくなったら、待っているのは介護等の(何故か低待遇の)職ではないのか。
当然ながら、全体で見れば、今まで人がやっていた自動化された仕事(600万円の凌ぎ)の他に、人にしかできない仕事(200万円の凌ぎ)ができるようになる訳で、全体の生産量は確かに増しているのだが、一人の労働者として見れば、機械に取って代わられた仕事による生産分も引き続き受け取れなければ労働者の生活水準は大きく低下するではないか。
そういう訳で、自動化が進むほど再分配率が高まらないと(労働者視点では)マズいのだが、残念ながら税率を上げると資本が海外に流出してしまう。資本の大部分が移転可能なために、
①税率を上げず、労働者は自動化できず生産性も低い仕事からの稼ぎだけを得なければならない
②税率を上げ、資本が流出し、結局労働者は自動化される前の仕事を失う
のいずれかとなる。
このような絶望的な状況から脱するのは資本の移転先が存在しなくなる、つまり、全地球の設備投資のされ具合が同じくらいになるまで待つしかなく、とても時間がかかりそうだ。
ただし、俺はその機械化を為す側なので、当面は困らない。そういう訳で、教育とその資金は重要で、だからこそ少子化になっても当然。実を言えば、労働者全員に機械化を施すようなスキルがあれば、誰1人として困るような人は現れないのだ。
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この話を書くきっかけになったが、入れるところがなかったエピソードを記す。
長野新幹線が開業した際に、日帰り出張が可能となったことで、長野のホテルは多くが経営難になったそうだ。
もちろん、長野新幹線が出来ることで、今まで長野のホテルをしていた人は別の仕事ができるようになり、全体としては生産性が高まっている。
http://anond.hatelabo.jp/20160403053116 しかしながら、自動化される前は人を雇っている以上、最低賃金が、 そして、人が雇われてる以上は労組が労働者の生活を守っていたように思えるが、 ...