2016-03-26

新幹線開通に思う全体主義

北海道新幹線がやってくる。これに関してはここでは詳しく触れない。

問題だと感じる点は、新幹線が来ることへの雰囲気の作り方だ。

まず北海道メディアはこれを礼賛し、連日新幹線や、それにまつわる鉄道歴史青函連絡船青函トンネル関係者へのインタビューなどが繰り返される。新幹線開通に伴う寝台特急廃止もいつも以上に騒ぎ立てている。

さらに、交通機構も押し並べて新幹線歓迎ムード高速道路の休憩所はこの話題ばかりだし、JRの駅も同じ。2週間前に帯広市という新幹線が来るわけでもない都市に行った際にも、謎の新幹線歓迎コーナーが設置されていた。

もちろん公社行政ムード作りに一役買っている。新幹線開通を祝うクリアファイルなんてどれだけ見たことだろうか。

この構造は、今回は新幹線開通に伴い用いられるものからまぁ別に良い。だがかつてこのようにして戦争への雰囲気作りが行なわれたことは、別に左翼でなくとも覚えておいて損はない。

実は戦後まだ70年しか経過していない、という評言は成立しうる。21世紀でも、こんな単純な総動員の雰囲気作りが成立しうるのだ。

問題点は、行政からメディアまで、一体だれがこの雰囲気を作り出しているのか不明なことだ。ちょっと前までは新聞でもテレビでも、新幹線への反対意見掲載されていた。何がそれを払拭させて「新幹線が来ます。わーわー」的なアトモスフィアを醸成しているのか。この時期に反対意見述べるのはたしかに「水を差す」感じなのかもしれないけれどね。

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