生物とか社会とか複雑なシステムって多数の入力と多数の出力、多数の内部変数があるもので、
ある一つの変数をいじると出力が劇的に変化するということはほぼ無いだろうし、変化したとしても再現性が低いと思う。
例えば生物の身体はたくさんの細胞組織と物質、菌類などの相互作用で成り立っているし、
社会組織はそのものがたくさんの人間の利害関係で成り立っている。
さらに、その複雑なシステム自体がそれぞれ異なる内部状態を持っているので、
ある具体的なシステムで問題を解決できても各論にしかならないはずだ。
じゃあどうすれば良いかというと、たぶんそのシステムの現状についてよく知っている当事者が、
妥当だと思える仮説をたて、複数の条件で実験してみるしか無いのだと思う。
そのような手続きを経て、確からしいと認められたらようやく一般性のある論として立脚するだろう。
とはいえ、実験できるものなら良いけど、脳とか国レベルのシステムとかは唯一無二であり気軽に破壊的な副作用のある実験をできないので、
問題を解決するのに非常に難しい判断を迫られることは想像に難くない。
結局何が言いたかったかというと、ライフハックとか新書によくあるナントカ論も各論でしかなく、
そんなものを頼りにしてもうまくいかないことが多いだろうということだ。