2015-11-20

1、はじまりかも、朝。

果てしない物語が始まるときは、たいていしょうもない物語からはじまる。

その日も例外ではなくて、ほんのちょっとした諍いがおこったとのことだった。

酒場にいたのはたいていのよっぱらいと、風変わりなやつと、身元不明のやつ。

あとは女。

だいたいのことはうまくいっていて、とききのこうしたいち、にのことを抜かせば、何の変哲も無い町なんだと思う。

酒場ではじまった諍いは、ほら、もう終わっていた。

そうこうしているうちに、僕は目を覚ました。

場所は、自宅の2階。2階とはいっても、自宅は全部で3階ある。その中頃の、2階の、自分の部屋だってわけだ。

自分の部屋と言っても、ただの自分の部屋じゃない。僕の自分ベットがある自分の部屋だ。

そこで、そのベッドの上で僕は目を覚ました。

目を覚ましたと言っても、おぎゃーとか言ったわけじゃなくて、僕もいい加減そろそろ元服なわけで、

厳かに静かに起き上がったわけだ。意識の上は。

ぱちっと、目を覚まして、布団から抜け出して、服を着て、外に出かける。

外には2、3匹、ドラゴンだっているかもしれない。

そう考えるとわくわくしてくる。そのわくわくする時間を、想像しながら、目だけ閉じて、目だけ覚ましてるのが僕のお気に入り時間ってわけだ。

ほら、こう回りくどいぐらい説明したって、僕の言う目を覚ます意味がちっともわかってない。

目を覚ますってのは、ほら、こう、こうだよ。僕の言う目を覚ますだ。

おぎゃーと、下の階から音が聞こえた。これはそろそろアレのサインで、たいていは僕の予想通りだ。

あいはいつもしょうがない。

この時間に降りていったら、大抵の朝ご飯台無しになる。あと10分は、少なくともこうして目を覚ましていたい。

そしたら僕は下に降りるんだ。降りて、朝を始めるんだ。

はいつでも朝で、それが夜だったことは今まで一度も無い。

朝がきたときには、朝が来ていて。夜が来ていたなんてことも一度も無い。

朝が来たときに夜がきていたなんてことがあれば、それはほら、君が不健康なんだ。

いいから休めよ、だまって、朝が来るときに朝がくるまで。

そんなことを思っていると、もう10分はたったと思う。

ようやく僕はほんとに目を覚まして、あっというまに下にいた。

もう説明している余裕はなくて、ぼくはあっというまに食べた。

ベーコンの脂だけで焼いたベーコンと、その隣でやいた目玉焼き

かりかりの端っこが、僕のお気に入りで、それはベーコンと卵の良能のことを言っている。

あの最後に残った油を、残った一かけのパンですくい取って食べてこそ、満喫したと言える。

あとは、木のコップに入ったミルクのんで、僕は朝の続きを始めるだけだ。

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