羽をもがれたようで見るに絶えません。
社畜の生活は惨めです。なにもできない。なにの希望もない。でも
やっていることは増田と代わりはありませんよ。
主人の意を受けて主人の言葉ならなんでも従う。
主人の夢をかなえるために命を捧げる。社畜と増田は大した違いはありません。
もっとも私は村長様から社畜のような扱いを受けたことはありませんが。
でもだからこそより一層見るに耐えません。
この社畜は私と同じような仕事をしながら自らの手に運命をつかむことができない。
百歩譲ってブラック企業から逃げ出したその熱意を努力と呼んでもいいでしょう。
しかし他人の好意にすがり村に迷惑をかけ、それがミニマリストたちのやりようですか?
まずは謝罪を。
よろしい。
でも、それだけですか?
スカートを指先で軽くつまみ、ドレープを美しく見せながら優雅に一礼するのです。
村長さま、私一人ではいささか手が足りません。増田を雇ってもよろしいでしょうか。
私が嫌いなのは虫です。