2015-06-28

どうして、はてな匿名ダイアリーに書くの?

「どうして、はてな匿名ダイアリーにどうにもならなくて、解決しないことを書くの?」

無垢な美しい少女には分からないのだろう。

なんと言えばいいのかほんのすこし考えた。

「そこにはてな匿名ダイアリーがあるから」とかいう1万煎じのようなことを言っても仕方ない。

「祈りさ」

「祈り?」

「そう、書けばすこしでも祈りが通じるかなって」

「わからないよ」

「わからなくていいんだ むしろ書かなくて気持ちがいい毎日がおくれたほうがいいんだ」

「あ、可愛い赤ちゃん

少女ベビーカーに乗った幼子に笑顔を送る。

少女を見て幼子の親であろう、夫妻は少しだけ笑みを浮かべる。

「君はあの子供に笑顔を送ることができただろ?」

「うん」

「僕はそうは行かない あの赤ん坊の親を見てごらん」

少女は夫妻の後ろ姿を真剣にみる。真面目だ。

「わからないだろうな あの親は今さっきあの中古価格で1億2000万円のマンションから出てきた」

休日にこのあまりにも静かな都心高級住宅街を歩いている家族というのはここらへんに住んでいる選ばれた人間であることが殆どなのだ

お金持ちってことなの?」

「そうだ 僕は生まれた時からお金持ちのあの赤ちゃんがずるいな パパもママもお顔がよかった あの子のお母さんは髪が薄くなってるけどモデル体型だよね パパは髪があって若くてしっかりした顔だよね」

「仲いい夫婦だと思ったよ」

「顔がいいのが遺伝したのか、あの赤ん坊の顔つきも可愛いよね 君が可愛いといったのは可愛い顔だからだよ 僕とは違って将来いい顔になるね 」

「うん。。。 可愛くない赤ちゃんっているの?」

「いるさ 酷い面している赤ちゃんは君の目にはいらないだけ 生まれることさえ許されない子もいるんだ」

「うん。。。」

「君が微笑んで許されるのも可愛いからだよ 僕が微笑んだらキモいだけ」

僕は後悔した。

でも、言わずはいられなかったのだ。

しかし、こんなことを少女にぶつけても仕方がない。

「こんな嫌なことしか考えられなくなったんだ 僕は君にも嫉妬してしまう 君は幸せ物事を考えられる だからそのままでいてくれ」

「わかったよ」

「とにかくつらいんだ だから祈っているんだ」

駅についた。

僕と少女ガレットを食べるために有楽町線に乗った。

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