エンターテイメントなら特にそうなんだけれども、小説とか漫画とかなんでも良いんだけれど世の中のそういったものは大概、枝葉末節に不要なリアリティが無い。高校教師の「授業はじめるぞー」で授業が始まることはあまりなく、普通はチャイムが鳴って、生徒の私語が自然と収まってきて、教師の第一声は「日直さん、号令をお願いします」とかだろう。
漫画の画像としては街中を歩くコマ、レストランで食事をするコマ、と数ページで時間が進み、その間、登場人物は同じ話題の会話をしていたりする。「禁煙で、2名です」なんて、よくてコマの外の手書きの文字だ。
よつばととかは別だけれども。
私は一時期小説を趣味にしようとしていたのだけれど、そういった不要なリアリティの省略がすごく苦手で挫折、というか、嫌になった。たとえば恋愛もので主人公達の初デートを考えるにしても(チャージは足りているだろうか…)(あの女の子はたくさん歩く乗り換えですぐ疲れるのでは…)などと考えてしまうのだ。
いっそ超ガチガチのSFや、日常の繊細な一瞬を切り取ってうんぬんみたいな物を書けば良いのだけど、いや辛うじて形にできた短編はそんなものばかりなのだけど、少年少女漫画みたいな、ラノベみたいのが書けたかった。