家に帰ると父の首に縄が巻き付いていた。目玉と舌はシンプソンズみたいに飛び出している。
俺が家を出る時はなにくわぬ顔でいってらっしゃいと声をかけていた父。そんな父は、今は糞尿と死後の煩瑣な手続きをまき散らすだけの厄介者となっている。いい気なもんだ。
俺はこれからのことを算段、実行。事は進み大学受験当日を迎える。一年前は難しく思えたこの学校の問題も今ではするすると解ける。なぜならそれらは代々川学園ゼミ高校講座でやったことがある問題だったからだ。
代々川学園ゼミは大学のサーバーにハッキングして入試情報を盗みそれを基にした教材を使い毎年大量の有名大学生を輩出する受験業界トップの企業だ。社長は青ペン先生という性別人種等一切不明の人だ。彼(と仮に言っておこう)は慈善事業にも興味があり、毎年複数の孤児を受け入れ自身の会社で死ぬまで働かせた。しかし世間は厳しくそんな彼を訴えた。訴えられた慈善者はテレビや週刊誌の俎上に上げられ社会的信用は無になった。