祖母と母と三人で祖父の墓参りに行った。
お彼岸まではまだ遠いし、命日が近いわけでもなかったが、祖父母と実家の家が遠いので
行けるときにお参りをするのが習慣になっている。
実家と私の家は同じ関東圏といえど、父とは折り合いが悪かったことがあって
何のかんのと理由をつけて仕事を理由に家を出た後戻ることはなかった。
あるとき家に立ち寄った学生服の妹が、実家にある私の部屋は今お父さんのパソコン専用になってるよと
教えてくれた。多分、サーバールームかなにかなのだろう。そこまでするのかと当時はただただびっくりするばかりだった。
そんな次第で、母と会うのは久々だった。
記憶ではもっとふっくらした方だったのが、その面影はあとかたもなく、様相は一変していた。
20kg痩せたらしい。
ナイトメアビフォアクリスマスにまじっていても気付かないと思う。
祖母は変わらない。祖父が亡くなったことを機に髪染めを止めた頭は、
薄茶と白のまだらな髪だったはずだが、真っ白になっていたことくらい。
いつも穏やかに微笑んでいる姿はそのままだった。
会話が面白かった。
「私の孫です。」
娘をおいて挨拶するあたり、昔からなぜか自分に大甘の祖母らしかったが、その紹介がまさかの誤解に。
母とセットで兄弟に間違われたまま会話が進んで、
檀家さんが孫だと思っていた人が娘と知って目を丸くしていた。
東京オリンピックって何年だっけ。母の歳の計算を脳裏で思わずしてしまう。
恰幅がいいとは、親父のような男性に対する上品な言いかえだと知ったのは社会人に入ってのこと。
部署編成で久々に顔を合わした同期に先日も言われたが、仕事帰りにお酒で潰すほど呑ませた。
「まぁ、そんなに大きなお子さんがいるの」と対面のご近所さんに何度も言われて、
おかしいと思っていたら姑さんと奥さんと造作がよく似た二人に交互に言われていたのよと
祖母に自慢する母の姿は、確かに若かった。