「オボる」=「剽窃する」と定着しそうな勢いの昨今ですが,
英語論文→英語論文への剽窃(コピペ)はかなり発覚しやすいものです。
特に隠す意図がない場合は,いま多くの人が暴かれているように簡単にわかります。
「自分は日本語で博論を書いているからOK」と思っている博士号取得者もいるはずですが,
他者の英語論文の序論を丸ごと日本語訳して序論としている博論はぜったいにあります。
正直なところ,その論文を引用していれば,「剽窃かどうか」はけっこう微妙な問題となると思いますが,
悪質な場合(悪意を持って行った場合)は,剽窃元の論文は引用されていないでしょう。
私自身,研究者のはしくれなので,論文を書く際にレビュー論文(まとめ記事の様に,これまでの研究の流れをまとめた論文)を大いに参考にします。
だいたいは,「Aはこういう結果で,Bはこういう結果である。したがって,○○は〜である(詳しくはレビューとしてXXを参照)。」と書きます。
A,Bについても大抵はレビュー論文(XX)に書いてあります。
面倒ですが,レビュー論文にも間違いがあるので,自分でもA,Bに一応目を通します。
結果的には,XXと似た様なニュアンスで記述することになってしまいますが…。
しかし,上記の書き方であれば,剽窃には当たらないと思います。まぁ,「XXをコピペして改変した」ように見えるんですけどね。
このように,剽窃する意図がない場合はレビュー論文と文章が似てしまうのは許容しつつも,レビュー論文を”ふつうは”引用します。
一方で,意図的に剽窃した(英語論文をまるまる日本語訳した)人がいるとすれば,元の論文を引用することはないでしょう。ばれたら困るから。
「日本語論文で英語論文を剽窃=元論文を引用しないにもかからず,内容が酷似している」と言えます。
ただ残念なことに,この種類の剽窃行為ってほとんどわからないんですよね。
博論を書ける人は英語が読める人なので,そのまま日本語訳されるとよっぽどのことがない限りはバレようがないです。
世の中には,博論の要件(査読論文数本)を満たせずに,なくなく学籍を残す人や,
苦労して,査読論文を書き,ちゃんと博論を書いて,博士号を取った人もいるのにかかわらず,
剽窃をして博士号を取得している人がいると思うと非常に悲しく,腹立たしいです。
ばれるばれないに関わらず,恥を知ってほしい。できれば,学位を返上してほしいですね。