そりゃ言いたいテーマもあってそのためのプロットができていて、おそらく善玉が挽回して悪玉が非難されるという展開になるのでしょうよ。そうして劇中に出てくる虐待施設やイジメを非難する内容になるのは見え見えでしょ。
問題はそういうところにあるんではないのよ。
もう長年にわたって、テレビドラマの多くは、現実社会を世界設定にして人間たちが出てくるのに、わざわざ異常なまでに過激で、人間をきわめてチンケに薄っぺらくペラペラに表現してきた。そのどうしようもないくだらなさと精神毒が社会悪なわけですよ。過激にして釣ったり、いささか滑稽なくらいにまでして話題を集めようとしたり、そりゃあ数字はとれるでしょうよ(苦笑)。そんなん、くだんのドラマだけの問題ではなくて、昨年話題になった(らしい)倍返しとか言うTBSの某ドラマだってそうですよ。
そもそも、勧善懲悪などというのも非現実的で、それどころか何が善で何が悪かなんていうのも現実にはわからない。一定の価値観があってモノサシで測るから善悪に分割されるわけでしょ。そのあいまいで割り切れず奥深い、気持ち悪さが残るかもしれないけれど、そうした現実を受け止めて、分厚い人間観をもたないと、いい大人ではありませんよ。
こういうくだらないテレビ番組は、視聴率が取れてウケて面白可笑しがられてそういう意味では善なのかもしれないが、結果的に社会がすさんで我々の精神がすさむという点では悪ですよ。ドラマだけではなくて、バラエティーだとか、ニュースだとかでさえ、もはや長年にわたって、酷いものが多いでしょ。
(TBSのドラマですね、修正しました。いかにテレビ見ていないかが露呈したわけですが(笑)。厳密には、見られないのですが、いまの大概の番組は、見たら私発狂する。)