問題を
「無報酬で1年間、市のデザイナーをやるのは、ダンピングなのか?それとも個人の営業努力の範疇なのか?」
という形にすりかえてしまっている人が居る。おそらく無意識だろう。
なぜ叩かれているかをよく理解していない人間が居るようなので一応書いておく。
叩かれているのは「市側が、労働者を搾取しようとしているから」である。
なにを大げさにと思うかもしれないが、いや、実際そうだ。
たとえば企業は、「1年間一切無給労働!見込みのある人間は正社員にします!」という方式の求人を出してはいけない。
「労働者側にもメリットはあるだろ!」などと言っても駄目なものは駄目である。
たとえ労働者が無給労働に同意しているとか、契約書を書いたりしたとしても、労働基準法違反である。
しかしあれは「労働じゃなくて社会勉強だよー」という建前の下でやっているものである。
しかも実際は、学生が足元を見られ、無給で使い捨て労働させられ、就職も出来ないといったことは珍しくない。
米国等ではこの問題が相当深刻化している。
なぜ「労働者側にもメリットがある」場合でも無給労働が駄目なのかは、それが理由だ
そのメリットを餌に、労働者に労働ダンピングを強い、不当に使用者側が利益を得ることができるからである。
この不当さが分からないのは、いまだに前時代的な労働観を持っているごく一部の日本人だけだろう。
残念なことに、元NHK記者の水谷翔太区長はその一部の人間である。
いい加減目を覚ましてほしいと切実に思う。
デザイナーは個人事業主だろ。労働者じゃないよ。