2023-03-19

今のオタクガトリング砲の由来さえ知らないらしい

キングオージャーという特撮番組があるのだがその実況が

「なんで美と医療の国でガトリング砲が自走しているの?」

といった書き込みで溢れていた。

ちなみにこのガトリング砲というのは、戦隊ヒーローの合体ロボの補助パーツになるチビロボットのことだ。

キングオージャーは5つの国の代表選手がそれぞれ変身して巨大ロボに乗り込んで合体して敵をぶっ殺すという特撮だ。

その合体ロボの本体ではなく補助的な武器としてガトリング砲を背負ったカタツムリが登場したのである

ガトリング砲が自走しているという絵面に突っ込むのは分かる。

たとえそれが巨大レーザーメスだろうが巨大ヒアルロン酸注射器だろうが町中を自走していたらヤバイ絵面なのは事実だ。

だがそれらと「美と医療の国」という部分の繋がりに疑問を持つことはなかっただろう。

ガトリング砲本来はその枠に入るはずなのだ

現代オタクが正しい知識継承し続けていれば。

ガトリング砲アメリカ発明家リチャード・ジョーダンガトリングによって1862年に発明された。

ガトリングは元々発明家であったが1850年に自身天然痘にかかったことを契機に医学について学ぶことになる。

だがガトリングの興味は医学博士を取得する頃には発明へと再び移り、医師として活動することはなかった。

1861年から始まった南北戦争において多くの兵士が死亡しているの見た時、彼の中にあった医療への情熱が再び燃え上がり「1人の兵士100人分の働きをすれば、戦争犠牲者はそれだけ減らせるだろう」という着眼点から発明が始まった。

かくして作り出されたのが1人の兵士100人分の銃弾をばらまく兵器たるガトリング砲である

ガトリング砲とは、自身が病に苦しんだ経験から医療を学んだ発明家が、同じく病の苦しみの中に消えていった(初期の戦争における戦死は銃創によ即死よりもそこからの化膿などによる死が多かった)者達を減らすために作り出した兵器なのである

ガトリング砲の開発思想には医療の心があるのだ。

こんなものオタク雑学の基礎であったはずだ。

だが今やニチアサを見るような濃いオタクですら

「なんで医療の国でガトリング砲?」

と書き込んでしまう。

恐ろしいことだ。

知識継承に失敗している。

こうした知識継承の失敗はゆくゆくはマナー反省といったことにおいても起きているのだろう。

オタク歴史には多くの過ちがあるが、それらを乗り越えてきた歴史さえも失われてしまうのだろうか……。

オタクよ……後世のオタクを育てるために何をすればいいか考えるときがお前たちにも来ているぞ。

失われゆく技術テーマ刀鍛冶なんかを主役にした物語は数多く描かれているが、それが自分たちオタクとしての教養にも当てはまるという自覚オタクたちには無いのではないか

大丈夫か?

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