2021-10-09

最近読んだBL

 近頃は自分創作活動に忙しくて、本をなにかと積みがち。まさかBL本買って積むなど……。という訳で、今回のBL感想文は一つだけ。

『Speechless』(キム・フィールディング)


あらすじ

 旋盤工のトラヴィスは、通勤途中にとある美しい男に目を留めた。その男はいつも家のポーチに座ってギターを弾いている。トラヴィスその男のことをひと度意識してしまった途端に片時も思わずはいられなくなってしまう。

 そしてトラヴィスは九月のある晴れた金曜日、男に話しかけた。男はドリューという名前で、失語症を患っており、一言も話すことができなかった。だが、全く話せないのに豊かな表情と仕草で思いを語ることができるドリューに、トラヴィスは惹かれていく。

増田感想

 いい話ではある。けど、エンタメよりも文学に寄っているせいで、なんか微妙なんだよなぁ……と思ってしまう。ついアメリカ文学大御所比較して、なんだかなぁと思っちゃうんだよなぁ。ヘミングウェイとかレイモンド・カーヴァーとか、ホラーじゃないときスティーヴン・キングとか。もしかすると、アメリカ文学としては型通りなのかもしれないなあと思う。船戸与一の『炎、流れる彼方』で真似された、なんとなくアメリカ底辺の悲哀っぽい雰囲気的な。

 正直、BLというかM/M(男同士のカップル恋愛小説であること以外には読みどころがないと思った。

 日本商業BL小説はなんかどれも似たり寄ったりだしレベルが低くてつまらないと思った人が、海外BL面白さを求めてこれに飛び付いちゃったらより一層がっかりするからやめときって思う。

 アメリカっぽいBLが読みたいんだったら、漫画の『親愛なるジーンへ』とか『遥か遠き家』とか『ミッドナイトレイン』とかでいいんじゃないだろうか。

 商業BL小説クオリティを求めるとしたらこの『Speechless』は日本BL小説界の傑物 凪良ゆう先生の『美しい彼』の足もとにも及ばないので、別に読まなくていいと思う。まあ、萌りゃあ何でもいいんだよ! って人には良いかもしれないが。

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