たいした話じゃないんだけどな。
俺はいつも最寄の20分くらい前の駅で乗り換える必要があるんだよ。だから電車一回降りて乗り換えのやつを待ってたんだけどさ。
ふと無意識に口にしたんだよね。
「さむっ」
って。
電車の中の冷房のせいじゃなくて、外気に触れて寒いなって思った。寒いっていったってもちろん、冬の寒さとは違うけどな。
朝起きて会社行くときは特になにも気にしてなくて、いつもどおりの半袖のシャツ着ていったんだけどさ。
今日わりと気温低くて、夕方過ぎてさらに下がってきて、20度ちょっとくらい?
自分で口にしてやっと気付いたんだよな、あー、涼しいな、そうか夏ももう終わるかもなって。
この前まで30度余裕で越えてて、この暑さでオリンピックはどうこう、サマータイム導入がどうこう、それは無茶だろアホか云々、なんて話してたのに。
毎日帰宅してすぐエアコンつけて、冷蔵庫からビール出して、汗引くの待ちながら飲んでいたのに。
このままずっと毎日暑い暑い言いながら過ごすかのように錯覚してたけど、夏はいずれ終わる。
でね、そこで閃いたんだよ。今日、鍋にすっか、って。
俺は一人暮らしなんだけどさ、鍋好きなんだよ。なんか鍋はみんなで囲むもの、一人で鍋とか寂しいだろみたいなイメージ結構強いけどな。
別に一人で鍋すんのってそんな悪くない。作るの楽だし。材料刻むだけだし、味付け適当でも最後にポン酢あればどうにでもなるし。
そういえば、先週末買い物いって、キャベツともやしと長ネギと豆腐はあるな。肉はないしキノコは欲しいな、とか。
どうでもいいけど、キノコってえらいよな。野菜とかたまにすげーアホみたいに値段あがったり、品薄になったりするけど。キノコだいたいいつでもあるし。値段かわんないし。しかも、なんかキノコって秋の風物詩感あるし。
そんなこと考え始めたら、なんかめちゃめちゃ楽しくなってきて、早く電車こねーかな、帰って早く鍋してーなって思い始めて。
駅から家までは自転車なんだけど、ちょっと寄り道すればスーパーがあるので、そこでキノコ(しめじとエノキ)と肉(豚ロースの鍋用ってやつ)と、あと白だしとキムチの素を買って来た。そう、キャベツともやしならキムチ鍋かなって思ったんだよ。辛いもの大好きなんだ。
レジ通すとき、この内容で「こいつ今夜鍋か?」って思われるんだろうか、とか少し考えたけど。ま、店員のおばちゃんがいちいち客の買い物の中身みて献立予想とかしねーよな。でもなんかそういうことも考えるくらい、そう、浮かれてたんだよな。今日、我が家では、鍋解禁日なんだぜ、って。
ま、唯一の誤算として、家にあると思っていた豆腐は既に冷奴で食っちまっていたことを忘れていたので、豆腐抜きの鍋になったけどな。
そこはまた次回の鍋のときの楽しみに取っておくことにする。
毎日そんな楽しいことがあるわけでもないし、一日一日過ごすのが憂鬱だなーって思うときもあるけどな。
ふと鍋食うかって思って作っただけでテンション上がるもんだな。