2014-09-29

俺の高校校長の送る言葉結構微妙だった

俺の通っていた高校普通科商業科がセットになっているところだったので、なんというかいろいろと問題があった。二つの科の間には見えない壁があったから互いが互いを敵視したり学園祭体育祭で衝突が起きたり殴ったり殴られたり陰湿いじめや表立った暴力ウラでこそこそ復讐したりされたりとまあそういう学校だった。

ただ普通科の生徒も商業科の生徒も学校をなめてて社会をなめてて大人をなめている点ではけっこう気があっていて、そのなめてかかる相手の象徴たる校長に反発するときだけは妙な協力関係を築いていた。


おおよそ町では商業科の生徒が問題をおこし、翌日学校集会が開かれ校長が怒鳴る。きまって商業科がぶつくさ言いはじめる。続いて普通科もぶつくさ言いはじめる。最終的には体育館全体がざわざわし校長血圧けが上がり続ける。マッチョ体育教師が数人殴っても全体は静かにならず、教頭バーコードが乱れ、ひ弱な古文教師が眼鏡をかけ直す。最後は決まって新任の女教師アニメ声で大声を出し全員ピタっと静かになる。それがまた校長イライラさせるのだった。



そんな高校3年間を過ごした俺たちの大半は進学か就職を決め、また何人かはもう学校には来なくなっていて、さらに一人か二人かは交通事故で死んでいた。そして卒業式校長がいつにもまして憎らしい顔をして登壇する。俺たちも同じようになめた態度をとる。


校長からの送る言葉。前半ほとんどは来賓のお偉い方々への媚びへつらい。そしてやっと俺たちのほうを向いて口を開く。



「みなさん、いや、おまえらはこれから社会歯車になる!」

体育館がどよめく。

学生時代社会の荒波から守られ、好き放題やってこれただろう。しかしこれからおまえら一人ひとりで立ち向かわなければならない」

あちこちから舌打ち。

社会はいろんな人間、いろんな組織、いろんな思惑があり互いに連携しあって回っていく」

んなこたぁわかってる。

「だがまあ社会なんて言うとおおげさだが、人が二人いればそれはもう社会だ。歯車だって最低でも二枚なきゃ空回りするだけだ」

そうだな。

「だから最低でも二枚の歯車になれ。自分の愛するパートナー出会い、一番小さな社会歯車になれ」

お、おう。

「まずはそこから始めるといい。ああ、それとな、歯車ってのはちょっとだけ遊びがないとうまく回らないんだ。ギチギチだと歯車は回らない。その点おまえら遊びだけは得意だったろう?」

……。

「まあうまくやれや」



その時の校長言葉を真に受けるヤツ、そうでないヤツ、いろいろいたがまあ俺は若干真に受けたほうかな?今じゃニートしながらスチームパンクグッズ作ってる。わーい歯車あかり歯車大好きー!

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