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2019-04-04

とりあえず笑う人々

たまたま家で「じゅん散歩」というのを観ていたら、モリダイラ楽器クロマチックハーモニカ教室高田純次が来た。最初自己紹介がてらボケるのが恒例なのだが、高田氏は、

ブルースハープセノオという者ですが」

と言い、教室の生徒達が一斉に笑った。で……笑った人達、本当に意味を分かって笑っているんだろうか、と私は引っかかったわけだ。

妹尾隆一郎という人がいた。この人はブルースハープ第一人者で、1970年代東京関西ライブハウス……丁度愛奴とかシュガーベイブとかセンチメンタル・シティ・ロマンスとかが出ていた頃……では「ウィーピングハープ・セノオ」名義で有名だった人だ。残念ながら一昨年に亡くなられたが、高田氏はちゃんと知っているんだから大したものだ。しかし、あの教室の人々のうちどれだけが高田氏がウィーピングハープ・セノオを念頭に置いてこれを言ったことを理解しているのだろうか。

こういう状況を見ると、いつも思い出すことがある。NHK放送した立川談志ドキュメンタリーで、談志が大きな寺の本堂で『芝浜』を演じていたとき談志が何か言う度に客がけらけら笑う。閉口した談志が遂にこう口にしたのだ:「お客さん、そこ、笑うところですかねえ」……ところが客はこれを聞いてまた笑ったのだった。

『芝浜』は代表的人情噺で、談志が大変大事にしていた噺でもある。そして談志が懸命にそれを演じているその前で、落語おかしもの落語は笑うもの、と信じ込んでいる客が噺をちゃんと聞きもせず脊髄反射的にただ笑う。私にはそのとき談志を見ていられなかった。

こんな風に「とりあえず笑う」というのは、もうやめてもらいたいと切に願う。笑えば無難、笑えば角が立たない、そう思っているんだろうが、それを向けられる者にとっては、時としてそれはあまり暴力的に思えるのだ。

 
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