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2023-10-28

絵描き世界ゾルラーク

マネ「笛を吹く少年」(1866)

 

灰色背景に笛を吹く少年が佇む。

誰もが見たことがあるだろう。図工の教科書に載る絵の定番だ。

この絵のどこが凄いのかわかるだろうか?

それは・・・

 

背景を描かなかったこである

 

この凄さを知るには歴史を語らねばならない。

昔の庶民は字が読めなかった。字が読めなければ当然聖書も読めない。

牧師さんたちは字の読めない人のため、教会の壁に聖書の名場面を描き始めた。宗教絵画の始まりである

 

時代が降るとやがて壁画を描く人々は専門化していった。

親方師弟制度、そして職人ギルド。絵を描くことで金を稼ぐ専門家集団。彼らは芸術家ではなく職人であった。

彼らの稼ぎのもう一つは肖像画である。昔の金持ちはよく肖像画を描かせた。我々が写真館で証明写真や753の写真を撮るように、彼らは自分家族の肖像画を描かせたのだ。当時の絵描き写真屋の代わりであったと言える。

写真から出発した西洋美術がよりリアルに、より精密に、表現が発達していくのは歴史必然であった。

  

長い時が流れ1866年、「笛を吹く少年エドゥアール・マネはあえて背景を描くのをやめた。マネは絵をデザイン的に捉え、少年の赤い服を魅き立たせる補色を背景に置いたのだ。

 

絵はもっと自由で良い。

 

マネ写実主義から印象派へと人々を導いた。「印象派の父」として知られる。

 

 

『あえて背景を描かない』

 

現在では手抜き絵と呼ばれる

 

 

anond:20231027224113

 
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