2024-11-22

コンビニゴミ箱撤去された話

ある日、近所のコンビニからゴミ箱がなくなった。

最初は気づかなかった。会計を済ませて、いつものように買ったペットボトルのラベル剥がして捨てようとしたら、ゴミ箱が消えている。代わりに店内には小さな張り紙があった。

ゴミ不法投棄が相次いだため、ゴミ箱撤去しました。ご了承ください。」

なんだそりゃ、と思った。確かに、誰がどう見ても店の商品じゃない弁当空箱や家庭ゴミが詰め込まれているのはよく見た。でも、そのせいで正当に使ってた俺らまで不便になるのは納得いかない。

その日から、俺の生活が少しだけ面倒になった。

コンビニゴミ箱がなくなっただけで、なんでこんなに不便なんだろう。例えば、買ったペットボトルを飲み終わったら、家まで持ち帰らなきゃいけない。おにぎりの包みをどこに捨てるか悩む。電車ホームゴミ箱撤去されてるから手荷物じわじわ増える。

いつからこんなに、ゴミを捨てることが難しい社会になったんだろう?

ある日、コンビニ店員さんに「ゴミ箱、戻る予定ないんですか?」と聞いてみた。そしたら「難しいですねぇ」と苦笑された。そのあと、「最近監視カメラ増やしたから、不法投棄する人も顔バレしてるんですけどね」と言う。じゃあ戻してもいいじゃないか、と思ったが、そこまで口には出せなかった。

結局、俺は小さなポリ袋カバンに忍ばせるようになった。自分専用のゴミ箱を持ち歩いてるようなもんだ。でも、なんだかそれがすごく虚しい。

世の中が便利になるほど、不便さが目立つようになる。そんなことを考えながら、今日も俺はペットボトルのラベル剥がして、ポリ袋に押し込んでいる。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん