親友は増田と同じ30歳独身女で学生時代から浮いた話のない子だった。
昔から結婚願望が強くて、出会いがないからとここ数年はアプリを頑張っていてとうとうその努力が実ったらしい。
増田は恋愛が長続きしない人間で、かつここ数年仕事にかまけていて彼氏がいない状態が続いている。
学生時代の友人達がほとんど既婚者になってほんのりと焦りはあるが、何となくこの先も一人で生きていくような気がしている。
親友はずっと男の影がなくて増田に寄り添ってくれる唯一の女友達だった。
結婚して上から目線とも取れるコメントをしたり、配偶者の話をひたすらする他の女友達と比べて一緒にいて楽しかったし大事にしていた。
何気ない話を素直に話せる貴重な存在だった。
彼女のことが大好きだから彼氏ができた事も心から喜びたいのに、いざ報告を受けると「上手くいかなきゃ良いのになあ」が本音だった。
LINEで彼女を祝福するメッセージを送りながら内心話を聞くのがしんどかった。
彼女は優しいしこの先も私に親切にしてくれるだろうけど一番の拠り所は私じゃなくなるんだな、とか、彼女が今まで彼女の好みだけで作り上げてきた知識や世界観にぽっと出の男の影響が混ざってくるんだろうな、とか胸糞悪い考えが次々と湧いてくるのだ。
別に今までも彼女には私以外の人間との付き合いがあったし影響も受けてきたのは間違いないのに。