2024-08-10

 行政事件訴訟法10条2項は、裁決に関する裁判に関しては裁決固有の瑕疵だけを争うことができ、それ以外は制限しているというものであるが、本件は、処分の取り消しも併合されているから、裁決固有の瑕疵を主張する必要はないものと解される。令和2年3月26日のケース診断会議は、開催したと文字で書いてあるばかりで、本当に開催したのかどうか分からない。指定弁護人は、ここの、令和2年3月26日にケース診断会議を開催したと書いてあることだけを理由にケース診断会議は開催されたといわんばかりだが、福祉事務所東京都協議の中で、実施機関敗訴の可能性も高いというメモ書きがあり、そこには、ケース診断会議を開催していないので、と書いている。平成29年1月の東京地裁判決の枠組みは、自立更生免除検討する際に、ケース診断会議を開催し、受給者側の事情を慎重に調査したうえでしなければ、社会通念上違法であるといったような枠組みであって、本件のケースワーカーがこの枠組みにのっとって本件の事務を処理したかどうかが問題になるところ、実施機関メモ書きにも、ケース診断会議の記録をしていないから無理ではないかという強い書き込みがあり、本件は、処分の取り消しの裁判において、ケースワーカーが、平成29年1月の東京地裁判決の枠組みどおりにできなかった、またはしなかった事実を主張していると解される。

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