2024-01-18

失われた犬の言語について

犬の言葉を人の言葉翻訳することはできない。なぜなら、犬の言語は失われてしまっているから。きょうはこのことについて話そう。

犬の鳴き声を翻訳するアプリ検索すればいくつも見つけることができる。かつては、バウリンガルという翻訳機がもてはやされた。そういったものを見る度に、僕の心には疑問が浮かび上がった。本当にそんなことが可能なのだろうか、と。

あなた言葉を誰に教わっただろうか?親兄弟友達、そして学校先生だろう。言葉コミュニティの中で生まれ、育てられていく。コミュニティなしでは言葉は生まれ得ない。これは誰もが同意してくれることだと思う。

もしあなたが生まれると同時に森に捨てられ独りで成長したら言葉をしゃべっていただろうか?唸り声は出せるかもしれないが、複雑な情報を伝える言葉は生み出せなかっただろう。

さて犬はどうだろうか?彼、彼女らは言葉を話すコミュニティ暮らしているのだろうか?そんなことはない。多くの場合、誰も言葉を教えてくれない。したがって、彼らは言葉を持たないのである

言葉を話す人と一緒に暮らしてるって?もちろん、人は言葉を話すし、犬も数十単語であれば意味理解しているとされる。でもそれは人語であって犬語ではない。もし犬が人語を喋るのであれば、そもそも翻訳もいらないではないか

かつて犬がオオカミとして群れで暮らしていたとき、そこには犬の言葉があった(正確にはオオカミ言葉か)。彼らが群れを離れ、人と共に歩む道を選んだ時、犬の言葉は失われてしまったのだ。

もし犬と意思疎通を図りたいのであれば、失われた犬語の再建が欠かせない。オオカミ言葉から犬語を作り、人が犬語を話す練習をして、生まれたばかりの子犬に犬語を教えてあげよう。そうなれば、翻訳機は本当の意味翻訳機となり、我々は意思疎通を図れるようになるだろう。

追記ムツゴロウ動物王国みたいに数十匹の犬が群れで長年暮らしている環境であれば、ある程度の言語は生まれているのかもしれない。

追記2:世界で初めて鳥の言語を解明した鈴木俊貴博士のように犬の言語を解明する人が登場する日もあるのだろうか。

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