小売店で働いていた。学生時代のアルバイトから含めると約10年だと思う。自身の接客にもある程度、自信を持っていたし、敬語やマナーなど学べることを学んできた方だと思う。
耐えきれなくなって、最近辞めた。
例えば、お客様のご希望の品をストックまで隣行き戻ってきた際も「お待たせしております」と言う人だった。
こんにちわ。〜とゆう。〜せざる終えない。の文字が並んだダイレクトメールを送る人だった。
ただ、謝ることが得意な人であった。
何かにつけて頭を下げ、ペコペコと「すみません」「申し訳ございません」と言っているところをよく見た。
言葉を意識せずに使えて、意味をとらえない人だったからこそできたのだと思う。
人は人にヘコヘコされると、なんだか気持ちが良くなってくるものだ。だからこそ、上司はめちゃくちゃな日本語でもクレームを入れられることもほぼなく、年だからこそ注意されることもなかった。
結果として日常でへんてこりんな日本語を喋り、頭を下げ続ける上司と、その日本語を見るたびに胃の奥がぐじゅぐじゅと疼き、頭がぐらりと重くなるような感覚の私だけがいた。
学んだからこそ、学んでいない人を見ると今度は不快になってくる。
それでも、耐えきれなくなってしまった。
正しいことを学んだからこそ、自身を傷つけられている感覚になったのだと思う。
学びは武器であり、知識は誇りでも合ったからこそ、踏み躙られているような痛みがあった。
偉そうに書いたが、目の前でくちゃくちゃと物をを食べる人がいる感覚に近い。
くちゃくちゃと食べ、箸がぐちゃぐちゃな人を見た時の不快感が業務中ずっとついて回っていた。
ただ、いまとなっては耐えられたのでは無いかとも思う。
これを書きながら、自身の余裕の無さを思い知るような気持ちさえある。
どうしたらいいんだろう。
誰か50分耐久でくちゃくちゃ食べ動画を上げてくれないだろうか。忍耐力をつけたいので。
あれは一部の人だけにある聴覚過敏みたいなもんだから慣れることはないよ