自分の小学生時代にも掛け算の順序を強いる教員が複数いて、そのときはそいつらが愚か者なだけだろうと思っていたが、ネットのおかげでそれが広範囲で観測可能な珍現象なのだと30年越しに知れた。学生時代に数学ができなかったことへの劣等感を小学生に掛け算順序を強いることで解消している暗愚は実在するようだし、自分のメンツの心配しか頭になくて学理を無視したオレオレ真理を四の五の屁理屈こねながらキメ続けている自称教育者が教育現場にはびこっているわけで、これは教員養成システムが骨抜きになっている証左だと言えるが、しかし今どき学のある真人間はわざわざ教員になんてならないだろうから、この問題はこれからも解決されずに業界は澱んだまま腐臭を放ち続けるだろう。沈みゆく国の幕間に相応しい滑稽さだ。