友人は長年セックスレスに悩まされていた。
コロナ禍以降関係は悪化し、上に加えてモラハラ、家事ワンオペの押し付け、会話レス、寝室すら別にされた。
「今口論になって、離婚を突きつけられたの。離婚してもいいかなあ」
わたしは気さくに「向こうからそう言われたならもうしちゃいなよ。」と返した。
その翌週友人と会った。離婚することに決まったと。
夫も二つ返事で、合意となったと。
彼女にとって生活が変わることへの不安はあったろうが、どこか清々しい表情をしていた。
そこから半年ほど友人と連絡がつかなくなった。久しぶりに返信が来たと思ったら、夫が自殺したと。
彼女は、自分が離婚を迫ったせいだという自責、離婚に同意したにもかかわらず自殺を選んだ夫への疑問、そして怒り、親族を亡くした悲しみ、色々な感情に苛まれて、心を病んでしまった。
なぜ友人の夫は自殺したんだろう。
結婚生活においても彼女を苛み続け、彼女のこの先の人生も蝕み続ける夫を、とても醜い生き物だと感じる。
やるせない。
笑顔が素敵で、気立てが良くて、優しくて素敵な友人だった。