子供はなんであれ真似をする。それはそう。
でもじゃあ「子供に真似してほしくないものを全部環境から取り除く」とどうなるか?
第一に、それは不可能だ。子供は隠れて禁止されたことをやる。子供の人生や子供が生きる世界全体をコントロールすることはお前にはできない。見えるところで好き勝手されて、それを怒ったほうがマシ。
第二に、仮に実現したら、子供はそれについて良識を持つのではなく、無知になる。大人になってから初めてそれに接するようになったとき、そいつに理性や良識やそれに対する正しい反応は身についてない。
第三に、抑圧されることで、子供はかえってそれに興味を持つようになる。漫画を禁止されたこどもは漫画大好きな大人になるし、駄菓子を子供時代禁じられた大人は駄菓子が大好きだ。同じことが起きる可能性が高い。
子供のためのリスクを全部取り除きたくなる気持ちはわかるが、それはよくない。かわいい子には旅をさせろの精神だ。
それに、クレしんの真似をしていた子供が、3年後も同じことをしていることがあるか?
ないだろ。
「フィクションに悪影響が無い」という研究結果が示すのはそういうことで、そういう影響は基本的に一過性だ。フィクションで大きな人生に影響を受けたとか言ってる奴は、言ってるだけで、実際には親や友達関係の影響のほうがはるかにでかい。他の影響は無視していいほどだ。
好ましくないものを取り除いた環境で育てられたのが無差別殺人の加藤だっけ