まあ子供だった俺が全て悪いんだけど。
我が家にはトイレが二つある、1階の皆が使うトイレと2階にある今は俺しか使わないトイレだ。
中学生の時はじめて我が家にウォシュレットが導入されたが、俺は尻に水を当てるとか怖くて一度も試さなかったし、使う気にもならなかった。我ながら中坊の癖に好奇心が足りない。
いつのまにやら家族は基本1階のリビングで、俺が2階の自室に引き籠もるようになってトイレの専用化が発生した。この頃から俺の趣味にトイレ掃除が加わったが今回の主題から逸れるので割愛する、一言だけ残せば手間を省けばトイレ掃除は楽しくて気持ちいい。
閑話休題、それから数年後、電気代節約のためにトイレ使用後に蓋を必ず下ろすようにしよう、と父親が言いだした。
当時の俺は普通に面倒だから嫌だと感じたし、手間を惜しむ為なら多少の不便はどうでもいいという思考を持っていた。
ので、便座のコンセントを引っこ抜いた。
どうせ俺しか使わないし、便座冷たくても耐えられるし、節約にもなるから文句あるまい、と思ったし、事実強くは言われなかった。
いや、ウォシュレット初体験そのものは4、5年前だったかな? 理由はもう忘れたが、外出先、どこかの店舗にあった綺麗なトイレでさ、ふと思いつきでウォシュレットを使ったんだ。
いや最高だなウォシュレット?
尻が楽に綺麗になるじゃん、これは文明の利器だよ、使わないのは損だ。
と思ったものの……さて今さら自宅のウォシュレットに電源入れるか? 入れたとして20年ほったらかしの管を通って飛び出す水を尻穴に当てたいか? と自問自答するとどうしても拒否反応が出る。
俺から言いたいのは無闇に手間を惜しむなということと、好奇心を持つことは大事、そして無駄な意地は張らないほうがいい、ということだ。