『母親の前に女だ』と言う人がいる。
堂々と公や子の前で、それを声高らかに主張する女性が苦手である。
先に言っておきたいことなのだが、この言葉を口にする女性全てに嫌悪感を抱いている訳では無い。
母という務めを果たしながら、なおかつ女性であることに誇りを持ち輝きを失わない努力をしている方が言う分には気にならない。
そういった方は、前向きな意味で口にしていることが分かるからだ。
むしろ、そういう場合には『母親でありながらも女性でありたい』などの言い回しをされる方が多い印象である。こちらに関しては素敵な人だなと素直に思えるし、心から応援したい。
私が嫌悪するのは、己がこの世に産み落とした子を尊重せず、慈しまず、守ろうともせず、あたかも人生の障害であるかのように振舞う女性だ。
なら、何で母になろうと思ったんだ? と問いたい。
子を産む選択をしたのは己であろうに、その選択の責任を子に押し付けるのはおかしいのではないか。
『妻』である前に女だと言うのなら、共感は出来ぬが理解は出来るのだ。
無責任にも程がある。
人を一人この世に産み落とし、育み、独り立ちさせる。
考えるだけでも相当な覚悟が必要だと思うのだが、彼女らは何も考えなかったのか。
己の性欲が新たな生命に直結するという事を、軽く考える者も多々いるのだろう。
少なくない悲しい事件を見る度に、やるせなくなる。
私は、諸々の事情により親にはなれぬ。
だからこそ、思うのだ。
己で親になると決めたのならば、親である事を拒むなと。