教育の無償化それ自体は憲法で禁止されていないので、まずは法改正によって対応すべきではないか、という批判もあり得ると思う。私もまずはそのように考えた。しかし、それでは実質的な教育の自由を守れないのではないか、という懸念がある。
仮に法改正で教育の無償化を実現したとする。しかし、無償化の撤回は憲法によって禁止されていないので、この法律はいつでも改正できてしまう。これは教育機関への「脅迫」的なカードとして機能することになるだろう。
もちろん、現行憲法第二十三条でも学問の自由は保障されているので、「恣意的に無償化を撤回することは、学問の自由を侵害する」という論理展開も可能だろう。しかし、そのようなテクニカルな解釈でどこまでの自由を守れるのかについては疑問が残る。