とある人気ゲーム発売日の0:00。予約ダウンロードで購入したらしいあいつは、早速スクショと感想をつぶやきまくっていた。
同じくプレイ予定だったフォロワーの俺のTLに、嫌でも情報が飛び込んでくる。困惑しつつも静観していたが、朝になっても投稿が止むことはなく、しまいにはこんなことをつぶやいた。
ちっ、自分さえ良ければいいのかよ。一気に苛立った俺は、そっとフォローを外した。
しかし、モヤモヤが残っていた。あいつは自分のアカウントでつぶやいているだけ。プレイが追いついていない自分にも非がある。
要はあいつと比べて、圧倒的に好き度が足りていないのだ。
世の中のネタバレ論に対しては言いたいことがある。それは、「ネタバレが嫌ならリアルタイムで飛びつく努力をしろ」ということだ。
仕事だから時間がない? 有休を使うまでに至ったか? 休めるように、仕事を片付けなかったのか? 同僚に交渉して頼めなかったのか?
お金が無かった? 値段は分かっていたはずなのに、工面していなかったのか?
止むなくもすぐに飛びつけなかったとしたら? ネット断ちすれば簡単だ。好きなやつの周りに近づくな。そして素早く楽しむんだ。
そんな自制もできずに、ほいほいネタバレの波に飛び込んで、自らクリックして怒るやつの気が知れない。
リアルタイムからしばらく時間が過ぎていても飛びついていないのであれば、それはその程度の熱量だったということだ。
時間が経っていてもいまだにネタバレを見て怒っているやつなんか放っておけ。