息子が、キャッチボールをしよう、と言ってきた。
野球に興味がありそうな様子がなかったので聞くと、同年代の子たちと野球遊びをするようになったらしい。その場で、あまりにも下手で恥ずかしいと思い、練習したいようだった。
よしとゴムボールを持ち、公園へ向かう。我が家はスポーツに熱心ではないので、グローブなどはない。
とりあえずと軽く山なりに投げてみると、なるほど確かに。驚くほど腰がひけていて、手だけ伸ばして何とか取ろうとする感じ。これではボールを取れずに落とすよな…と運動が不得意な自分でも分かるくらいだった。
何球か投げあって分かったのは、ボールを投げることはそんなに下手じゃない。ちゃんとこちらの方向と距離に投げてくる。問題はキャッチの方。フライのようなゆっくりとして高い球でも、むしろそういった球の方が腰がひけ、目をつむりそうになり、体が避けるような動きになる。
ボールが落ちてくるのが怖いのだ。
柔らかいから当たっても痛くないよ、とボールをグニグニして見せても、それが飛んでくると体は避けようとする。頭では分かっていても、体が避けてしまう、という感じだ。しばらく投げ合ってみて、楽しそうには見えないので、そろそろやめるかと聞いてみても、やるという。
こちらもしょうがないから納得するまでは付き合おうと、違う軌道の球を投げ続ける。息子は怖がりながらもボールに向かう。落とす。弾く。それでもやめない。同年代の子にバカにされたのだろうか、こんなにやる気を見せることは珍しい。きっかけは何であれ、やる気があるって良いことじゃないか。
投げ続けると、手だけ伸ばして何とか取れることもある。うまい!そうだ、その調子。怖くないぞ、もっと体ごと寄せていけ。手でとるんじゃなくて、全身でとるんだぞ。
息子はボールに向かっていく。恐れながらも向かっていく。こいつは失敗の恐怖みたいなものに立ち向かっている。これから野球遊び以外でも、いろいろな恐れに立ち向かわなければならい。失敗の恐怖はあらゆる場所にある。でも向かっていけ、体ごとぶつかれ。段々と熱い気持ちになっていった。何だか涙も出そうになってきて慌てる。
いいパパだな 自分の子供の時、痛いのがめちゃくちゃイヤだった 痛いってマイナスしかないじゃん 下手すると打ち身になってたりするその肉体からの信号だし なのでドッヂボールで玉...
最終的には大リーグで外野のスペシャリストとなり火事のタワマンから祈るように投げられた赤子を受け取り銅像が建つのであった。
三🍤=🍤三🍤
おラーイ!おラーイ!