中学生のころ、私はオタクで腐女子だった。ワンピースが好きで、「サンジくん、サンジくん」といつも言っており、オタクでない女子から「なんでキャラをくん付けするの?」と心底ピュアな不思議そうな瞳で見つめられ、オタク以外はキャラをくん付けしないと知った。
そんな私は当たり前だからヒエラルキー底辺であり、しかしながら同じオタク女子とつるんでそこそこ楽しくやっていたのである。
しかしそんな私に、転機が訪れた。
たまたま家の近くにトミーのショップが開店し、そしてたまたま私の誕生日が近かったことから、親が奮発して買ってくれたのである。
女子中学生の通学カバンがトミー。これが昇給試験への切符であった。
私は瞬時に悟った。昇給試験だ、と。後ろから、心配するような、複雑な顔で私を見送る底辺女子仲間。
全問、不正当であった。
私はジャニーズは誰ひとり知らなかった。
クラスの○○は、実は彼女たちのうちの一人の彼氏であり、カッコいいと褒めねばならなかった。
次回「底辺サンゾロ腐女子がゾロサンを強要されていた話」 デュエルスタンバイ!