2020-11-13

スクールヒエラルキー昇給試験に落ちた話

中学生のころ、私はオタク腐女子だった。ワンピースが好きで、「サンジくん、サンジくん」といつも言っており、オタクでない女子から「なんでキャラをくん付けするの?」と心底ピュア不思議そうな瞳で見つめられ、オタク以外はキャラをくん付けしないと知った。

そんな私は当たり前だからヒエラルキー底辺であり、しかしながら同じオタク女子とつるんでそこそこ楽しくやっていたのである

しかしそんな私に、転機が訪れた。

トミーヒルフィフガーのバッグである

たまたま家の近くにトミーショップ開店し、そしてたまたま私の誕生日が近かったこから、親が奮発して買ってくれたのである

女子中学生の通学カバントミー。これが昇給試験への切符であった。

休み。私は中級女子たちの集団から呼ばれた。

増田ちゃんちょっとこっち来て~」

私は瞬時に悟った。昇給試験だ、と。後ろから心配するような、複雑な顔で私を見送る底辺女子仲間。

増田ちゃんジャニーズで誰が好き~?」

増田ちゃんクラスの○○って超女好きでウザくない?」

増田ちゃん文化祭で何係やるの~?」

全問、不正当であった。

私はジャニーズは誰ひとり知らなかった。

クラスの○○は、実は彼女たちのうちの一人の彼氏であり、カッコいいと褒めねばならなかった。

文化祭では音響係だったが、これは完全に表舞台で目だつ気ゼロの表明であった。

私はとぼとぼと底辺女子グループに歩いて帰った。仲間たちは温かかった。一緒にゾロサンの話をした。とても楽しかった。

  • 次回「底辺サンゾロ腐女子がゾロサンを強要されていた話」 デュエルスタンバイ!

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