ずっと追っていた長期コンテンツが、既存ファンが絶対にそこは変更しないであろうと信頼を寄せていた部分の路線変更を行った。古参ファン側としては完全に梯子を外されてしまった状態になり、ファンコミュニティは焦土になった。
だが、その路線変更が功を奏し、見事に新規ファンを掴んだ。焦土になったコミュニティには新しいファンが訪れ、客観的に見ればシリーズは完全に再興し、外部の人間や新規のファンからは「路線変更して大成功だった」と言われてしまう結果に。かつての古参ファンは姿を消すか、生き残ったファンも愚痴という名の怨念を燻ぶらせるばかり(かつその怨念は見向きもされない)。
具体的なシリーズ名を挙げないのは、最近立て続けにそういった『ずっと好きだったシリーズの転換点』に立ち会ってしまっているからだ。大幅な路線変更が行われ、そしてそれが成功してしまう。具体的な数字も、界隈の盛り上がりも、かつての頃に比べれば見違えるようだ。だがそこには私やコミュニティで語り合っていたかつてのファンたちがが好きだったシリーズの『肝』は最早存在していない。そもそもシリーズの『肝』なんて、勝手にファンが考えていただけで、制作サイドにとってはそんなもの肝でも何でもなかったのかもしれない。
とにかく、シリーズがノットフォーミーになってしまい、そのノットフォーミーの部分が世間に受け入れられた以上、去るべきは自分の方なのだ。理解しているのだが、しかしどうしても、とにかく、辛い。